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思いつくままに書いていきます

学園祭の劇の脚本

登場人物全29人

関西弁の通りに演じて欲しいとかの意図は一切ないです

警官のみ台詞なし

主人公の裁判員(18)A

同上B

同上C

白雪(一人称わたし)  一見おしとやかだが、実は計算高く腹黒い

王妃(一人称わたくし) 気高い

検察D

検察E

弁護人F

弁護人G

検察と弁護人はそれぞれ台詞を分散させるために二人作りました

   台詞の喋り方等のイメージは(僕的には)NHKそのもののイメージです

警官    台詞なし

シンデレラ

猟師の娘赤ずきん(一人称わたし)

遣い

裁判長

裁判官H

裁判官I

裁判員J   

裁判員K   

裁判員L   

魔女    

王子    

再現白雪  

小人×7  

 

 

脚本

シリアスに、コメディ要素冒頭のみ

喜劇的な展開から一気に展開し、落差をワザと付けてノンストップで結末まで持っていく

 

○幕の観客側

   学生A、B、Cによる会話

   1~1分半くらいの面白い系の会話を

   会話の途中から遣い、音もなくいきなり舞台端に登場

遣い「あなたがたにお願いがございます」

   A、B、C驚いて一斉にそちらを向く

B 「えっ、誰?」

遣い「私はある裁判所から来ました。現在公判が行われようとしている裁判に、裁判員として裁判に参加してもらいます」

   言うや否や、不思議な音がして、舞台暗転

B 「…あたたた  何が起きたんや?」

遣い「裁判員として、裁判に参加してもらうために、多少強引ではありましたが、裁判所までお連れしました。申し訳ありませんが、すぐに裁判が始まりますので、裁判所にお入りください」

   遣い袖に引っ込む

   舞台明るくなる 舞台を仕切っていた幕が開く

○法廷

B 「…ちょっと待って何これ?何が起きてんの」

A 「裁判、ってあの変な人(注 遣いの事)言ってたけど…?」

C 「何の裁判?」

   席に座っていた裁判員3人が立ってやってくる

員J「ご存じないの?」

員K「白雪姫が、王妃に殺されそうになったという事件の裁判」

員L「この裁判は国中注目の的ですよ」

   員3人で同時に

員 「ほら、あちらが白雪姫です」

   員3人一斉に袖を指さす

   その袖から検察官D、Eと白雪姫出てきて着席

   反対側の袖から弁護人 警官に付き添われた王妃登場し、着席

   王妃の方を指さして

員K「あ、王妃も来られました」

員L「王妃は有罪なのか無罪なのか、私たち裁判員がちゃんと判断しないといけないです」

員J「あなたがたも裁判員ですよね お互い選ばれたからには責任を果たしましょうね あなた方の席はあちらですよ」

   員3人着席

   A、B、C、ひそひそめに

A 「白雪姫が王妃に殺されたって、グリム童話やんこれ」

B 「じゃあ童話の通りさ、王妃が犯人なんやろ?多分」

C 「そうなんやろうな 王妃がやったに決まっているのに裁判とか、訳わからへん」

   長、官2名入ってくる

長 「皆さん着席してください」

   A、B、C、混乱しながらも着席

   全員の着席を確認して

長 「開廷します。王妃がどんな罪を犯したというのか、検察官、起訴状を読み上げてください」

D 「はい。白雪姫の美しさに嫉妬した被告人である王妃は、白雪姫を殺すことを決意しました。王妃は、魔女の姿に変装して白雪姫に毒りんごを差し入れて、それを食べさせ、殺そうとしました。白雪姫は、偶然現場を通りかかった王子に救われましたが、一時意識不明の重体に陥りました。王妃の犯した罪は、刑法第199条第203条の、殺人未遂罪に当たります。」

長 「被告人、起訴状の内容に間違いありませんか」

王妃「いいえ、まるで違います。私は白雪姫に会いに行ってなどおりませんし、白雪姫を殺そうなどしておりません」

長 「弁護人の意見はどうですか」

   弁護人G、挙手しながら立つ

G 「はい、王妃は無実です」

   G座る

   白雪、証言台に立つ

   検察官E、挙手して発言

E 「証人として、被害者である白雪姫に証言をしてもらいます」

H 「事件の被害者であるあなたが証言台に立って大丈夫なのですか」

白雪「はい、大丈夫です」

H 「あなたは森で暮らす前、お城に暮らしていたそうですね」

白雪「王妃と一緒に暮らしていました。わたしはいつも王妃にいじめられていました。王妃は毎晩魔法の鏡に『この世で一番美しいのは誰?』と訊いていました。鏡が『それは白雪姫です』と答えるたびにいつも荒れ狂い、私をののしりました。『あなたの美しさが憎い』『あなたさえいなければ私が一番なのに』って」

H 「その後あなたは、お城を出ましたね」

白雪「半年前に開かれたパーティの翌日に、お城を出ました。今は森の小屋で一人で暮らしています」

H 「なるほど。 裁判官からの質問は以上です。検察、冒頭陳述をお願いします」

A 「…冒頭陳述って、何?」

C 「検察が、事件の詳細を話すねん さっきはざっくりしてたやろ?」

   検察官E、起立

E 「はい 事件の詳細ですが、本件では関係者が多いため、再現ビデオを撮影しました モニターをご覧ください」

   裁判所暗転 舞台手前に照明

   以下、白雪再現

   魔女、白雪のいる方へやってくる

   魔女の手にはリンゴがいくつか入っているバスケット

魔女「ちょっとそこのお嬢さん」

偽 「はい 私ですか?」

魔女「そうだよ リンゴを買い過ぎてしまったんだが、少しもらってくれないかい」

   偽、魔女をあやしく思う

偽 「ほんとうに買い過ぎてしまっただけなの?」

魔女「ほんとうさ リンゴは嫌いかい?」

偽 「いいえ、大好きよ でもおばあさん、ちょっと魔女みたいで怪しいですもの」

   魔女、呆れた口調で

魔女「おまえさんはリンゴに毒でも入ってるとでも思いなさるのかい?まあ、ごらんなさい この中の一つをわたしが食べて見せましょう それで、残りの、よく熟れた方をお食べなさい」

   魔女、リンゴを一つ食べる

魔女「ほら どうってことはないだろう?」

   偽、ちょっと間をおいて

偽 「ほんとだわ」

偽 「疑ったりしてごめんなさい ありがたくいただきます」

   白雪、篭からリンゴを一つ取りだし齧る

   白雪、朦朧として倒れる(リンゴは床に落とす)

魔女、高笑いして(笑い声と台詞の声色変えて)

魔女「一つだけ毒の入っていない普通のリンゴを入れておいたのさ 白雪姫のお馬鹿なこと」

   魔女、独り言をつぶやき笑いながらその場を立ち去る

   7人の小人とすれ違い、一人と肩がぶつかる

   (以下、小人とまとめて表記するが、喋っているのは全員ではない)

小人「なんやあのばあさん、人にぶつかっといて何も言わんとか何様のつもりやねん」

小人「白雪姫~ 遊びに来たで~」

小人「あれ あそこに倒れてるの白雪姫ちゃうか?」

小人全員駆け寄る

小人「どないしたんや 何があったんや」

   小人の一人が脈をとる

   小人の一人がリンゴに気付く

小人「あんなところにリンゴ落ちとるで」

小人の一人が手に取りにおいをかぐ

小人「…毒リンゴのにおいがします」

小人「は?どんだけ鼻が利くねん?匂いなんてわかるわけないやろ」

小人「今までに毒リンゴのにおい嗅いだことあんのかいな」

   脈をとっていた小人が叫ぶ

小人「まだかろうじて脈はあるぞ!」

小人「人呼んでくる! 救急車呼んで誰か!」

小人4名、舞台袖に走り去る

一人は携帯を使いだす その一人が言う

小人「あかん俺人見知りはげしいねんどないしよ」(結局かけていない)

小人「言ってる場合か!」

舞台袖から小人一人、王子を連れてくる

小人「なんか適当に引っ張ってきた! 隣の国の王子やっていう人!」

小人「姫が、白雪姫が毒りんごを食べてしにそうなんです! 助けてください!」

王子「白雪姫が! どうしたらいいだろう!」

王子「そうだ、救急車を呼べばいいんだ」

   王子、携帯を操作し、耳に当てる

王子「どうしようわたしは人見知りが激しいんだ」(結局かけない)

小人「お前も言ってる場合か!」

   袖から一人走ってくる

小人「グリムっていう人の本には、こういうとき王子がキスしたら目覚めるって書いてあった!」

小人「ほんまか! 王子、お願いしますキスしてください!」

王子「え、恥ずかしいな」

小人「見てるこっちの方が恥ずかしいわ」

王子「それにしてもこんな場所で…」

小人二人、袖から担架を持ってくる

二人「担架拾ってきた! これで病院まで運ぼう!」

   小人たち、白雪を担架に乗せる

小人「王子さん、場所変えたらキスしてもらえますか」

王子「わ、わかった」

   全員袖に掃ける

   明るくなる

白雪「気がつくと、王妃の姿はなくて、隣の国の王子が居ました。」

E 「王子があなたに口づけをして目覚めさせなければ、今頃どうなっていたか…」

白雪「はい、今思い出してもぞっとします」

E 「そうですか… 以上です、白雪姫、ありがとうございました」

  ㊟魔女が掃けた際、衣服と付け鼻を弁護人席においてくるor端から衣装二つ用意

   検察官E、席に戻る

長 「弁護人、質問をどうぞ」

   F、返事をしながら起立

F 「あなたは、魔女の高笑いを聞いて、魔女が王妃だと気づいたんですね」

白雪「はい、そうです」

F 「でも、あなたはその時既に毒がまわって、意識が朦朧としていたんですよね」

F 「そんな状況の中で、まともな判断が出来るもんでしょうか」

白雪「お城でいじめられて、わたしが苦しみおびえるたびに、王妃が高笑いしていたんです。だから、王妃の高笑いは、今も悪夢にうなされるほど、頭にこびりついているんです」

F 「では次に、あなたを助けた王子について伺います。あなたは、事件前から王子の事を知っていましたか」

白雪「わたしがお城を出た日に行われたパーティで、お顔をちらっと拝見した事はありますし、今までに何度かお会いした事はあります。でも、話したことはありませんでした」

F 「王子にどんな印象をお持ちですか」

   白雪、うっとりした口調で

白雪「パーティでもそうだったんですけど、以前から、さわやかでかっこいい方だなあと思っていたのですが、わたしを助けてくれたときに、一段と格好よく輝いて見えました」

   F、白雪を疑っている口調で

F 「ほう、なるほど…。あなたの体内から検出された毒はごく微量で、死に至るほどではなかった。その上、あなたは、広い森の中で、偶然、イケメンな王子に助けられた…お美しいうえに、運もお強いんですね」

   間髪いれずE、机をたたきながら立つ

E 「異議あり!美しいこと以外、本件とは無関係です」

   E、F、二人が裁判長の方を見る

F 「…以上です」

B 「確かに、白雪姫はすごい強運やなあ。王子様が通りかからんかったら助からへんたかもしれへんのやし」

A 「童話やからやろ、都合よくいくようになってんねん」

C 「ていうか白雪姫って小人とくらしてなかった?」

   2人の会話と同時並行で(裁判中、2人の会話と他登場人物の動作は同時に)E、F、白雪、着席

D 「次の証人をお呼びします」

   E、立って舞台袖から証人を連れてくる

赤 「以前お城に仕えていた狩人の娘です。『赤ずきんちゃん』と呼ばれています。父の後を継ぐため、狩人見習いとして働きながら、父からいろいろな話を聞いてきました」

   D、起立

D 「現在、狩人が急病で入院しており、話すこともままならないため、お呼びした証人です」

長 「わかりました。検察官、質問を始めてください」

   D、一礼する

D 「あなたのお父様は、事件がおこる半年前、王妃に何か命じられたそうですね」

赤 「はい。『白雪姫を森に連れ出して殺せ』と王妃に言われたそうです」

   裁判員、ざわつく

D 「『白雪姫を殺せ』と…それで、姫をどうされたのですか」

赤 「何の罪もない白雪姫を殺せるわけがありません。父は、姫を森へ逃がし、王妃には、『白雪姫を殺した』と嘘をついたそうです。白雪姫が生きてるとばれたら、王妃に何をされるかわかったもんじゃありませんから。それで、父はすぐに城へのお仕えをやめたんです」

D 「あなたは、王妃が白雪姫を殺そうとしたと思いますか」

赤 「さあ、あたしには解りません。でも父の話を聞く限り、王妃は嫉妬と執念の塊のような人だと思いますし、姫も…」

B 「じゃあもし、白雪が生きてんのが分かったら、王妃がとどめを刺しに行くかもな」

A 「いや実際とどめを刺しにいったんやろ」

   D、一礼して席に戻る

   G、立ちあがる

G 「あなたのお父上は、王妃が白雪姫を殺すよう命じた事を、あなた以外に話しましたか」

   赤ずきん、苦々しく

赤 「姫には話したと言っていました。その上、父は姫に同情して、自分の小屋にすむよう取り計らいましたし、姫が寂しくないよう、あたしや、小屋の近所に暮らす小人たちに言って、姫の下に何度か行かせていました。あたしは姫が嫌いなので、厭々通っていましたが」

G 「つまり、白雪姫は、王妃が自分の命を奪おうとしていることを知ってしまった、と… 以上です」

   G、一礼し着席

I 「ところで、あなたは事件の三日前、森で何か見たそうですね」

赤 「はい その日は祖母のお見舞いにワインとケーキを持って行ったんですけど。その途中で、小屋の近くの切株にこしかけて、姫と隣の国の王子が仲良く話をしていたんです!あの時の姫の目は完全に王子に恋している目でした」

I 「あなたは、隣の国の王子と面識があったのですね」

赤 「はい、隣の国のお城にお仕えするよう、王子直々にお話を頂きまして」

I 「王子と白雪姫が話している姿を見た後、あなたはどうしましたか」

赤 「見てはいけないようなものを見た気がして、すぐにその場を離れました。ただ、王子にはシンデレラ様という婚約者がおられるのに、よくやるな、とドン引きしましたけど…」

   ざわつく法廷 泣き出す白雪(嘘泣き)

白雪「え、えっ… 私そんなこと思ってない!」

   検察官E、白雪姫を制止する。

   赤ずきん、吐き捨てるように

赤 「そうやって純粋ぶってるのが嫌いなのよ どうせ嘘泣きのくせに あなたがシンデレラ様を見下して悪口言ってたのも知っているんだから」

   赤ずきん、舞台袖へ退出

A 「全然昔話と違うんやな」

B 「もしかしたら、白雪姫は王子にキスされるために、自作自演したんちゃうかな。ついでに王妃が刑務所に入ったら恨みも晴らせて一石二鳥やし」

C 「いやそんなことの為に自分で毒飲むかな」

   立っている者全員自分の席に戻る

   F、起立して言う

F 「弁護人からも証人の出廷を求めます」

F 「シンデレラさん、お願いします」

   舞台袖よりシンデレラ登場(以下、シンデレラを「灰」と表記)

   灰かぶり、証言台に立って一礼

F 「シンデレラさん、あなたと白雪姫は、半年前のパーティで初めてであったそうですね。そのときの白雪姫の様子はどんなでしたか」

灰 「はい、半年前のパーティは、私と王子が婚約したことを記念して開かれました。白雪姫は、王子の前では笑顔でお祝いの言葉を言っていました」

F 「王子の前では、ということはあなたの前では違った、と」

灰 「私と二人きりになったとき、白雪姫は私を『なんで私じゃなくてあなたが選ばれたの?一体どうやって王子を誘惑したのかしら』と言って嘲笑ったんです」

   白雪、思わず立ち上がり、シンデレラに詰め寄る

F 「白雪姫、どうかしましたか」

   白雪、何も言わず引っ込む(シンデレラをにらんでる感じで)

F 「以上です」

   F、着席

長 「検察、質問をどうぞ」

   E、立ちあがる

E 「はい そのパーティに王妃も参加していた、そうですよね」

灰 「ええ、王妃も参加されていました」

E 「王妃はあなたと王子の婚約に何のお祝いも言わなかったのですか」

灰 「王妃はプライドが高くて、人を貶めるのがお好きな方のようで…『あなたみたいな方と王子が婚約されるなんて、あなたがみすぼらしくて釣り合いませんわね』とおっしゃっていました」

E 「以上です。ありがとうございました」

A 「王妃も白雪姫も性格悪いな~」

B 「お城を出て一人暮らし始めたら、より王子に簡単に会えるようになったやろうな」

   全員着席シンデレラ退廷

長 「では、被告人質問を始めます」

   王妃が起立し証言台へ

   弁護人F 起立

F 「はい 王妃、犯行に使われたリンゴには、あなたの指紋はひとつもついていなかった」

王妃「当然です。私は毒リンゴを白雪姫に食べさせてなんかいませんから」

   F、衣服と付け鼻を掲げながら

F 「ところが変装の為犯行時に使われた衣服と付け鼻にはあなたの指紋が付いている。これはどういうことでしょう」

王妃「当然ですよ。私の持ち物なんですから」

F 「それであれば、あなたの指紋が付いていて当然だ。でも、なぜそんなものをお持ちだったんですか」

王妃「お城で行われる、仮装パーティ用に買ったんです。今年は、魔法使いの仮装をする予定でした」

F 「ではどうして、あなたの仮装パーティ用の衣装が、犯行に使われたのか」

王妃「誰かが、こっそり部屋から持ち出したのよ」

F 「部屋から持ち出す」

王妃「ええ、事件のあった夜、夕食を食べて、お茶を飲んだ途端、すごい眠気が襲ってきたの。それで朝までぐっすり。誰かお茶に、眠り薬でも入れたんじゃないかしら」

   白雪、吐き捨てるようにつぶやく

白雪「…ふざけてる!」

   上記白雪台詞などなかったかのように

F 「誰かにはめられたんですね。あなたをはめたのは誰か、思い当たる人はいますか」

王妃「さあ、誰かしら。お城の者はみんな、私の事を嫌っていますから。でも、白雪姫のことはみんな大好き 昔から、あの子の言うことなら何だってきくのよねぇ」

B 「ほら、白雪がお城の人と組んで、王妃を嵌めたんやで」

C 「でもここまでは全然童話的に進んでないしなあ」

   弁護人F、一礼して着席

   検察官E起立

E 「では、事件があった日、あなたが朝までぐっすり眠っていたことを証明できる人はいますか」

王妃「いいえおりません」

E 「アリバイはないということですね」

E 「ところであなた、リンゴがお好きですか」

王妃「好きではありません」

E 「おかしいですねえ。あなたのパソコンの検索履歴には、事件の五日前、amazonで『おいしいりんご』と検索した跡があったんですけど」

E 「リンゴがお好きでないのに、何故調べたのですか」

   F立ちあがる

F 「異議あり 本件とは関係ありません」

王妃「私が食べるためですわ」

   F座る

E 「リンゴがお好きでないと、おっしゃいましたよね」

王妃「ほんとはね、大好きなの」

王妃「でも、白雪姫と同じものが好きだなんて、私のプライドが許さない。だから、こっそり取り寄せたの」

白雪、立ちあがる

白雪「そんなの言い逃れよ、そのリンゴを私に食べさせたのよ」

   裁判長、槌を打つ

長 「静粛に」

白雪「わたしは殺されかけたのよ!」

白雪「もお~、認めなさいよ このばばあ!」

   王妃、怒りながら白雪に詰め寄る

   白雪も詰め寄られて逆に王妃に近づく

王妃「あんたがわたしを嵌めたくせに!」

白雪「あんたがわたしを殺そうとしたんでしょうが!」

   王妃と白雪、もみ合いになる

   弁護人や検察やその他が止めに入る

長 「静粛に!」

   王妃、白雪、揉み合いながら退廷

   一緒に、検察官E、弁護人F、警官も退廷

A 「どうなっちゃうんやろ、この裁判」

C 「もう最終弁論違うかな」

B 「このまま判決出るまでいとくってこと?」

   E、F、警官、戻ってくる。

長 「最終弁論を始めます。検察から意見を述べてください」

D 「裁判員の皆さん、王妃の殺意は明白であり、王妃の犯行を裏付ける証拠は十分にそろっています。さらに、王妃の犯行当日のアリバイはありません。白雪姫が、王妃を嵌めたという主張は、罪を逃れるための戯言にすぎない。王妃は、有罪です」

G 「裁判員の皆さん、犯行に使われたリンゴには、王妃の指紋はありません。犯人の高笑いが、王妃の声だったと白雪姫は証言しましたが、意識が遠のく中での記憶を、どこまで信じられるでしょうか。王妃を犯人だとする証拠は不十分です。王妃は、無罪です」

長 「これですべての審理が終わりました。それでは判決を言い渡します。被告人である王妃は…」

   舞台暗転

   遣い、出てきておくor影アナで

遣い「お疲れ様でした。あなたがたも今回の裁判では色々考えさせられたのではないでしょうか…」

○幕の観客側

   A、B、C倒れている

   ばらばらに起きだす

   会話スタートと同時に舞台袖にフェードアウト

B 「…今度はどこや?」

A 「…戻ってきたみたいやで」

B 「何やったんやあの裁判みたいなやつ」

A 「白雪姫とか王妃とかいたし童話とは全然キャラ違うし」

C 「白雪姫すんごい性格悪かったしな 全然白黒はっきりせえへんかった」

A 「…なあ、あの裁判結局、王妃は有罪やったんやと思う?」

   A、B、C、判決について語り合う

   フェードアウト完了

   遣い、舞台中央に再登場

遣い「世の中の出来事にはいろいろな側面があって、様々な角度から物事を見ることができます。この『白雪姫裁判』のように。皆さん、是非、自分が裁判員になったつもりで、この劇の結末を、沢山の視点から考えてみてください。以上で3年5組のクラス劇を終わります」

   遣いしゃべりの間に幕あいて全員登場

○幕が開いて、全員で礼するやつ(終わり)